毎年お正月に飾る鏡餅。
実は、鏡餅の飾りには深い意味があることを知っていますか?
今回は、特に悩んでしまいがちな半紙の折り方・向きを中心に、飾りの順番や各アイテムの意味、地域での違いや片付けの時期までまとめてみました。
次のお正月は、知識を活かしてより素敵な鏡餅飾りになること間違いなし!?
鏡餅の基本的な飾り方と半紙の向き・折り方を解説!
新年を迎える準備として、鏡餅の飾り付けは欠かせませんね。
でも、正しい飾り方って意外と知らない人も多いのではないでしょうか?
まずは、鏡餅の基本的な飾り方の順番と、飾りに使う半紙の向き・折り方について詳しく解説していきます。
なお、ここでは農林水産省のホームページにある飾り順を紹介します。
飾り方は下から順に、
- 三方(さんぽう)
- 四方紅(しほうべに)
- 裏白(うらじろ)
- 紙垂(しで)
- 丸餅
- 橙(だいだい)
さて、この中で半紙を使って作るのが「四方紅」と「紙垂」です。
本来、「四方紅」は縁が赤くなっている正方形の和紙のことですが、用意できない場合は半紙で代用が可能です。
また、「紙垂」は御幣(ごへい)とも言われる、左右に垂れている帯状の紙(紙垂)のことです。
紅白の紙が交互に連なっていることもありますが、こちらも白1色の半紙で代用できます。
それぞれの折り方と向きについて詳しく見ていきましょう。
半紙で作る四方紅の折り方・向き
今回は長方形の半紙を使う場合の折り方や向きをご紹介します。
- 四方紅は基本的に三角形のような形に折ります。
- 折ったものは折り目がある方を奥(上座)、角のある方を手前(人間側)に向けて置きます。
- 上になる角は右側寄りに重ねます。 (左に来ると縁起が悪いとされています)
紙垂の折り方
- 半紙を半分に折り、さらに半分に折って4等分に切ります。
- 4等分に切った半紙を縦に3等分、横に4等分に折ります。
- 折った半紙を開いて、線に沿って3分の2の所まで切り込みを入れます。
- これを台紙として使い、別の半紙を同様に折り、台紙に重ねて切り込みを入れます。
- 切り込みを入れた部分を手前に折り返し、三角形に折って完成です。
紙垂の折り方は少し複雑ですが、動画を参考にすると分かりやすいでしょう。
このように、半紙を使って四方紅と紙垂を作ることで、鏡餅がより豪華に見えます。
これならうちでも鏡餅をゴージャスにできそう!
鏡餅を飾る順番と意味を徹底解説!三方・裏白って聞き慣れないけどなに!?
鏡餅の飾りには、飾る順番と深い意味があるんです。
ここでは、鏡餅の飾り順番と意味について詳しく解説していきますね。
あらためて、一般的な鏡餅の飾りと意味を、下から順番に見ていきましょう。
三方(さんぽう)
鏡餅を乗せる台のことです。
神様に鏡餅を捧げるのに、机の上にお餅だけポン……と置くわけにはいきません。
神様への礼儀として、鏡餅を台に乗せる習慣が出来たとされています。
四方紅(しほうべに)
お供え物を載せる和紙のこと。
紙のふちが赤色になっているのが正式な四方紅です。
赤いふちには「全世界の災いを払い、1年間の無病息災・繁栄を祈る」という意味が込められています。
裏白(うらじろ)
漢字の通り「裏の白い葉」のことで、シダの葉を使うことが多いです。
シダは古い葉と新しい葉が同時に伸びてくることから、「久しく栄える」という意味があります。
また、シダではなくゆずり葉を使う地域もあります。
紙垂(しで)
四方に大きく広がっている形から、「長く繁栄するように」という願いが込められています。
また、紅白の紙垂を使うこともありますが、赤い色には魔除けの意味があります。
ゆずり葉
「世代がゆずられ、続いていくように」という意味が込められています。
丸餅
鏡餅のメインです!
お米から作られているので「豊作の恵みへの感謝」や「五穀豊穣への祈り」が込められています。
丸い形は「心臓を表す」「神社に祭られていた丸い鏡を表す」「太陽を意味する」など様々な説があります。
また、お餅を大小重ねるのには、「陰と陽」「月と太陽」を表すという意味もあるのだそう。
橙(だいだい)
橙は「だいだい=代々」という言葉の響きや、木から落ちず実が大きく育つことから、「未来永劫にわたって大きく繁栄するように」という意味で使われます。
橙の代わりにみかんで代用されることもあります。
いまは簡単に飾り付けができるセットもあるから、次のお正月は豪華な飾り付けに挑戦してみようかな!
なお、上記で紹介した順番の他にも、
- 紙垂をお餅と橙の間に飾る
- 裏白をお餅と橙の間に飾る
- 紙垂を2段あるお餅の間に挟む
- 裏白とゆずり葉を2段あるお餅の間に挟む
などなど、飾る順番が違ったり、飾るアイテムを省略したりとさまざまあるようなので、一概に「これが正解!」とは言い切れないようです。
大事なことは、鏡餅を飾るアイテムにはそれぞれに意味があることを理解し、感謝の気持ちや願いを込めて飾りつけをすることでしょう。
関西流の鏡餅の飾り方とは?地域による違いを紹介
ここまで一般的な鏡餅の飾り方を紹介してきましたが、鏡餅の飾り方って地域によって違いがあるって知っていましたか?
特に関西地方の鏡餅飾りは、他の地域とは少し違った特徴があるんです。
ここでは、地域による鏡餅の違いについて触れていきます。
関西流鏡餅飾りの特徴
まず、関西地方の鏡餅飾りの特徴を見てみましょう。
関西では一般的な飾りに加えて、鏡餅の上に「昆布」「柿串」を乗せたうえで橙を飾るのだそう。
昆布は「喜ぶ」の語呂合わせから、喜びを表すもの。
干し柿を串に刺した柿串は、「嘉来(かき)」という言葉に由来し、幸せが来ることを願って飾られています。
干し柿が飾ってある鏡餅は見たことないかも!
他にもある!地域特有の鏡餅飾り
探してみると、他にも地域特有の鏡餅の飾り方があるようです。
- 関西の一部地域では、鏡餅を三段重ねにする
- 石川県では、紅白の鏡餅を飾る
鏡餅の飾り方は、地域や家庭によって違いがあるのが面白いところです。
自分の住んでいる地域の特徴や、家族に伝わる独自の飾り方があるかもしれませんので、おじいちゃんやおばあちゃんに聞いてみるのも面白いかもしれませんね。
他にも知らない鏡餅の飾り方がありそう!
鏡餅はいつまで飾る?正しい片付け時期と美味しい食べ方
さて、お正月にきれいに飾った鏡餅、いつまで飾っておけばいいのでしょうか?
鏡餅の正しい片付け時期もセットで覚えてしまいましょう!
鏡餅は通常、「松の内」と呼ばれる期間中に飾ります。
松の内の期間は地域によって異なります。
- 関東地方:1月1日〜1月7日
- 関西地方:1月1日〜1月15日
ここでも関東・関西の違いがあるんだね
松の内が過ぎたら、いよいよ鏡餅を下げて「鏡開き」を行います。
鏡開きは、年神様が宿った鏡餅を食べることで、その年の無病息災を祈る大切な行事です。
鏡餅を分ける際には、包丁を使わずに木槌や金槌を使うのが伝統的です。
包丁を使わないのは、年神様が宿っているお餅に対して刃物を使うことは縁起が悪いとされているからです。
武士の時代では、刃物=切腹のイメージもあったからと言われているそう……
ちなみに飾りつづけて硬くなったお餅は、細かく叩いて少しずつヒビを入れてから、強めに叩くと割れますよ。
鏡餅はかちかちに硬くなっていますので、ぜんざいやお雑煮、鍋物など、煮込んで柔らかくしてから食べるのがおすすめです。
年神様の力を受けた鏡餅を食べて、新年の幸せや健康を願うまでが鏡開き。
ただ食べるだけでなく、感謝の気持ちを込めて食べることが大切ですね。
まとめ
鏡餅には飾り方から片付ける時期、そして食べ方まで、さまざまな伝統や意味、思いが詰まっています。
全部を伝統どおりにできなくても、意味を知って思いを込めるだけで、いつもより運気が上がりそう♪
次のお正月は、これらの知識を活かして、新しい年に感謝をしながら、鏡餅の飾り付けと鏡開きを楽しんでみてはいかがでしょうか。