インターネットの速度や安定性に影響を与えるLANケーブル。交換のタイミングを知らずに使い続けている方も多いのではないでしょうか?
劣化しているケーブルは通信トラブルの原因になることもありますし、交換で速度がアップすることもあります。
この記事では、LANケーブルの交換時期の目安や見分け方、交換による効果についてわかりやすくまとめました。交換が必要か迷っている方にぜひ読んでほしい内容です。
LANケーブルの交換時期はいつ?使用年数と目安をチェック
まず、税法上で定められている「ツイストペアケーブル」、つまりLANケーブルの法定耐用年数は18年とされています。これはあくまで減価償却などの基準なので、実際に18年経ったらすぐに使えなくなるわけではありません。
実際には、室内で丁寧に使っている場合は20〜30年程度使えるとも言われています。直射日光が当たらない場所で、引っ張ったり踏まれたりしないように設置されていれば、それだけ長く使える可能性が高まります。

そんなに長く使えるんだ!
ただし、交換を検討する時期としてよく言われるのが20年程度が目安です。特に、通信が不安定になってきたり、ネットのスピードが遅く感じるようになったら、ケーブルが古くなっている可能性を疑ってもいいかもしれません。トラブルが起こる前に交換するのが安心です。
また、情報によっては「屋内使用でも10〜15年程度で交換を考えた方がよい」という意見もあります。これは設置環境や使い方によって、ケーブルが傷んだり劣化したりするスピードが変わるからです。湿気が多い場所や、よく物を移動させる床に這わせている場合などは、寿命が短くなりがちです。
LANケーブルの劣化サインとは?
LANケーブルは見た目がしっかりしていても、実は中が劣化していることがあります。劣化に気づかずに使い続けていると、通信トラブルの原因になることもあるので注意が必要です。

でも外から見てもケーブルの傷みがわからないことも多いから、劣化のサインが知りたい!
ここでは、LANケーブルが劣化しているときに現れるわかりやすいサインについてお話しします。
まず、いちばん多いのが通信速度が遅くなったり、回線が頻繁に切れたりすることです。有線でつないでいるのにダウンロードが遅くなったり、YouTubeの動画が止まってしまったり、Zoomの通話がカクカクするようになったら、それはLANケーブルが劣化しているサインかもしれません。
次に、外から見てもわかるような変化がある場合です。たとえば、コネクタ(先っぽの部分)がぐらぐらしていたり、ツメが折れてしまっていたりすることがあります。こうした摩耗や小さなヒビでも、接触が悪くなって通信が不安定になることがあります。
また、ケーブル自体にも注目してみてください。ケーブルが硬くなっていたり、黄ばんでいたり、ひび割れていることはありませんか? これらもすべて、劣化が進んでいる証拠です。
さらに、使い方や置いてある環境によっても劣化が進みます。たとえば、頻繁にケーブルを曲げたり、引っ張ったり、何かの下敷きになっていたりすると、中の銅線が傷ついてしまうことがあります。
また、ペットにかじられたり、直射日光が当たる場所や湿気が多い場所に置いてあると、ケーブルの被覆が傷んで、通信に影響することがあります。

我が家は部屋の角に配線してたら、被膜がひび割れてたことがありました……
LANケーブルの不調に気づいたら、まずはこうした劣化のサインが出ていないかチェックしてみることが大切です。見た目や使っているときの変化を見逃さないようにしてくださいね。
LANケーブルを交換すると速度が上がる?その効果と理由
LANケーブルを交換することで、インターネットの速度がぐんと上がることがあります。実際に速度が遅いと感じている方は、ケーブルの種類や状態を見直してみると、思わぬ改善が期待できるかもしれません。
まず注目したいのは、使っているケーブルの規格です。たとえば、「Cat5(カテゴリー5)」のLANケーブルは最大100Mbpsまでしか対応していません。今の光回線や高速インターネット環境では、1Gbps以上が当たり前になっているので、Cat5のままだと本来の回線スピードが活かせません。
この場合、Cat5e(カテゴリー5e)やCat6など、より新しい規格のケーブルに交換することで、速度が大幅にアップする可能性があります。

ケーブルの長さしか気にしたことなかったけど、規格も大事なんだね!
次に考えられるのが、ケーブル自体の劣化や品質の問題です。ケーブルの被覆が傷んでいたり、中の線が断線していたりすると、どうしても通信が不安定になります。そうした状態のケーブルを、新品のCat5e以上のケーブルに取り替えることで、速度が元に戻ったり、接続が安定したりすることもあります。
LANケーブルの規格は、見た目が似ていても中身がまったく違うことがあります。ケーブルを交換するときは、今使っているインターネット環境と速度に合わせて、自分に合った規格を選ぶことが大切です。そうすることで、快適なネット環境が手に入りますよ。
まとめ
LANケーブルは目に見えない部分で劣化が進むことがあり、交換のタイミングを見極めるのが意外と難しいものです。一般的な交換目安は20年程度ですが、設置場所や使い方によってはもっと早めの交換が必要になることもあります。通信が遅くなったり、回線が途切れたりする場合は、ケーブルの劣化を疑ってみてください。また、古い規格のケーブルを新しいものに変えるだけで速度がアップすることもあります。この記事を参考に、自分のLANケーブルの状態をしっかりチェックしてみてくださいね。